「だから…ですね。自身は昨日風呂に入ったので…」

苦しい言い訳。
自身とルシは、脱衣場でもみ合っていた。

「あれ?だってツキヨ、毎日風呂に入ってたよな。いつも良い匂いしてる。今日はまだ入って無いだろ?」

(な、何さり気なくチェックしてやがる、このクソ猫!)

ルシは自身の上着を引っ張る。させじと自身は上着を抑える。

「ガリガリの坊主と一緒に入っても楽しくな…」

言いかけたセリフを遮るルシ。

「なんだツキヨ、気にしてたのか?大丈夫、男同士なんだし、照れるなよ。第一俺の裸は見慣れてるだろ」

(このセクハラ猫が。裸でうろつくなとあれほど言っても聞かなかったお前のせいだろうが…)

それに…。

(一週間になるのに、やっぱり男と思われてるのか…。まぁそう思わせといた方が安全かも)

掴まれた服を無理やりひっぺがす。

「だから、自身は猫のルシを洗うのはやぶさかでは有りませんが、人型のルシと一緒に風呂に入るのは嫌なのです。」

自身の本気の抵抗を悟り、渋々納得するルシ。

「じゃ、今日は猫でツキヨに体洗って貰うとするか。隅々まで綺麗にするんだぞ?」

言って、ルシは渋々猫に転じた。