恋時雨~恋、ときどき、涙~

全部、自分のせいだと、自分を責めてしまうんじゃないだろうか。


何と答えたらいいのか分からずにいるわたしの肩を、静奈が小突いた。


「何よ、真央。わたしと順也だけじゃ、不満なの?」


謎めいた笑みをこぼしながら、静奈の両手が生き生きと動く。


「不満なの? そうなの?」


わたしは、首を傾げた。


〈不満なんてない。何で?〉


またまたーと言って、静奈は少し強い力で、わたしの肩を小突いた。


「しょうがないわね。なんなら、健太さんも、誘ってあげるけど」


静奈の顔を見て赤くなったわたしに、順也がすかさず痛々しい手を伸ばしてきた。


「何、どういうこと? 真央と健太さん、何かあったの?」


わたしは慌てて首を振り、静奈の腕を叩いた。


でも、静奈はお構い無しに順也に話した。


「きいてよ。順也が手術室に入ってる間、健太さんてば、真央のこと抱き締めてたの」


こうやってー、と言い、静奈はわたしを抱き締めた。