恋時雨~恋、ときどき、涙~

向こうで、静奈が手を振っていた。


次は真央が幸せになって、ではなかった。


わたしの親友が言ったのは、まるで、もうそうなるのだと決まっているような、キラキラ輝く一言だった。


次は真央が幸せになるの。


深く、大きな温かさがわたしの胸を突き上げる。


ありがとう、静奈。


心の底から込み上がった涙がゆっくりと、本当にゆっくりと、わたしの目からあふれてきた。


「良かったやん。きれいな、真っ白やなあ。な、真央」


あんたは幸せやで、幸の手話を見て、わたしはこくりと頷き、涙を隠そうとブーケに顔を埋めた。


甘い、純白の香りがした。


しばらくの間泣き顔を隠していると、幸が肩をゆすってきた。


ハッとして顔を上げ、わたしは息を止めた。


……わあっ……。


瞬きすらできなかった。


ふんわり、ふんわり、ふんわり。


ぷかぷか、ぷかぷか。


赤、青、黄、緑、紫、白、桃。


カラフルなバルーンが群になって、青空に高く高くのぼって行く。


まるで、6月の空に吸い込まれるように、どんどん小さくなって行った。


きれい。


「パーティー、4時からやって。どないする? 一度、ペンションに戻る? まだ時間あるで」


新郎新婦が退場すると、参列者たちも各々にはけて行く。


「みんな、待合室で時間潰すみたいやで。うちらもそうしよか」


わたしはにっこり笑って頷いた。


「パーティー会場、チャペルの裏側やねんて。海を見下ろせるテラスなんやて。しゃれとるなあ」


待合室に行こか、そう言って笑った幸について行こうとした時、わたしは危うくブーケを落としそうになった。


体に、電流が走る。


わたしの目は、まるで磁気に吸い寄せられるように、一点に吸い寄せられた。


参列者がはけて行く中現れたのは亘さんと、健ちゃんだった。