恋時雨~恋、ときどき、涙~

彼女の、華奢な両手が動く。


「見つけた」


その整った顔立ちはたちまちくしゃくしゃに歪み、大粒の目は涙でいっぱいになった。


わたしは自分の目を疑った。


「やっと、見つけたで」


でも、彼女の首元でキラキラ輝くお星さまを見て、それは確信になった。


「見つけたで、真央」


3年ぶりの、幸だった。


幸は泣いていた。


「見つけるまで、えらい時間かかってしもたわ……大変やったんやで」


泣きながら手話をする幸の後ろで、店長がわたしを見ていた。


固まるわたしの手を、幸が確かめるように掴んだ。


「元気やったんか?」


自分の顔が歪んで行くのが、手にとるように分かる。


ぽろぽろと涙をこぼれさせながら、幸が必死に笑顔を浮かべようとする。


「元気やったんよな? 答え、真央」


わたしは、幸の手を握り返してしっかりと頷いた。


「そか……ほんならええんよ。安心したわ」


幸……。


どちらからともなく、わたしたちは抱き合った。


まるで、離れていた3年間を必死に埋めるかのように、きつく抱き合った。


幸からは、雨の香りがした。


一気に、あの頃が、わたしの中であふれだした。









店長の気遣いで、わたしと幸はテーブル席で向かい合っていた。


3年ぶりの幸は、美しかった。


「これから仕事に行くとこやったんや」


もともと細い腕がしなやかに動き、わたしに語りかける。


「そしたらな、コンビニから出て来たあんた見て、心臓飛び出すかと思うたわ」


上京してからいっぺんも会えんあったんにな、と幸は目元の涙を指ですくった。