恋時雨~恋、ときどき、涙~

愛美さんが、おむすびを指さす。


「それと、私のサンドウィッチ、交換しない?」


嫌でなければ、と愛美さんが微笑んだ。


わたしは頷く。


でも、さすがに落とした方を渡すわけにもいかなくて、ランチバッグに残っていた方を、と思い手を突っ込んだ時。


何だ、これ。


おむすびとは違う感触があった。


ランチバッグの底に何かが入っている。


取り出してみると、それは二つ折りにされた一枚の紙だった。


何か書いてある事が分かった時、少し緊張した。


手が震えた。