恋時雨~恋、ときどき、涙~

心の中に芽生え始めたある思いに、わたしは気付き始めていた。


でも、このまま一緒にいたら。


いずれまた、誰かに迷惑をかけてしまうのは明確だ。


でも……。


悩みの迷路にはまりかけた時、後ろから肩を叩かれた。


振り向くと、亘さんだった。


「久しぶり。真央ちゃん」


亘さんと会うのは、もう、1ヶ月ぶりだった。


わたしはぺこりと会釈をして、さりげなく鞄に手紙をしまった。


「ここで何してるの?」


首を傾げながら、亘さんが言った。


「行かないの? 健太のとこ」


久しぶりに見た亘さんは、相変わらず爽やかだった。


「健太、きっと、待ってるぞ」


仕事を抜け出して来たのだろうか。


シンプルなグレーのスーツに、淡い淡い水色のワイシャツが良く似合っている。


「一緒に行こう」


亘さんの唇を読んで、わたしは頷いた。


カフェテリアを出た時、亘さんが立ち止まり振り向いた。


「今日ね、いい知らせを持ってきたんだ」


いい知らせ?


何だろう。


わたしが首を傾げると、亘さんは「果江」と嬉しそうに笑った。