恋時雨~恋、ときどき、涙~

あなたと健ちゃんに、限界がくる。


いつか、限界がくる。


無性に、果江さんに会いたくなった。


会って、訊きたくなった。


静奈が、わたしの肩にそっと触れてくる。


その瞬間、わたしはその手を振り払った。


「真央……」


静奈がまばたきもせずに、わたしを見ている。


〈どうして? どうして、静奈まで、そんな目でわたしを見るの?〉


わたしの乱暴な手話を見て、静奈が息をのむのが分かった。


わたしは、たたみかけるように手話で言った。


〈同情なんか、してほしくない! そんな生ぬるい友情なんか、いらない!〉


ばかみたい。


静奈に八つ当たりしても、どうしようもないのに。


唇を噛んでうつむいた静奈にきびすを返して、わたしは病院を飛び出した。


冷たい。


空を見上げる。


この空、アメリカまで繋がっているのかな。


果江さん。


教えてください。


わたしと健ちゃんに限界があるとすれば。


その限界は……いつ、やってくるの?