恋時雨~恋、ときどき、涙~

すれ違いを繰り返し、でも、運命はもう一度、ふたりを再会させた。


「あ、しーが来た」


プロポーズの事はまだ秘密だよ、そう言って、順也は静奈に手を振った。


「順也! 真央!」


両手に飲み物を抱えて、静奈が笑顔で駈けてくる。


大好きな、わたしの親友。


「順也はアイスコーヒーでいいよね」


と静奈が紙コップを差し出す。


「ありがとう」


と順也は何食わぬ顔で笑った。


「真央はオレンジジュースね」


私とお揃い、と紙コップを差し出す静奈を、わたしはうっとりしながら見つめた。


静奈。


苦しかったね。


すごく切ない思いをしちゃったね。


順也の足のこと、自分のせいだと責めて責めて、苦しかっただろう。


「ちょっと、真央」


にやけるわたしの顔を、怪訝な面もちで静奈が扇ぐ。


良かったね、静奈。


教えてやれるものなら、今すぐ伝えたいけど。


ごめんね。


順也との約束だから。


まだ、内緒。


苦しかった以上の幸せが、もうすぐ訪れるから。


だから、もう、自分を責めたりしなくていいんだよ。


「真央?」


〈ありがとう〉


そう言って、わたしは静奈から紙コップを受け取った。


ベンチに座ってジュースを飲みながらくだらない会話をしたり、ぼんやりしていると、突然、静奈が聞いてきた。


「最近、健太さんとどう?」


え?


首を傾げるわたしに、静奈が微笑む。