恋時雨~恋、ときどき、涙~

この日から、幸の首もとに3つのお星さまがキラキラ輝き始めた。


まるで、未来への道のりを照らしているように、優しい光だ。


「うち。このお星さまに恥ずかしくないように、もう少し、頑張ってみるわ」


幸の笑顔はお星さまよりも眩しくて、でも、やわらかかった。


わたしは静奈の車で一度アパートへ戻り、講義の準備をしてから、また幸のアパートへ戻った。


戻ったわたしと静奈を待っていたのは、中島くんだった。


幸の部屋の前で、中島くんはうろうろしていた。


インターホンを押そうか、やめようか。


人差し指を突き出しては引っ込めて、ため息を吐いている。


「中島」


静奈が声を掛けると、ハッとした顔で中島くんが振り向いた。


「長澤さん……と、真央」


わたしと静奈は彼の顔を見てびっくりしたあと、同時に笑った。


いつも爽やかなのが中島くんのトレードマークなのに。


その爽やかさは微塵もなくて。


目の下はハッキリとしたクマが浮かび上がり、寝不足がはっきり分かる。


今日の晴れ渡った青空には全然まったく、これっぽっちも似合っていない。


なんだ。


中島くんも同じだったんだ。


幸が心配でたまらなかったんだ。


なんだ。


やっぱり、みんな同じなんだ。


静奈も、中島くんも、わたしも。


みんな、幸のことが大好きなんだ。