恋時雨~恋、ときどき、涙~

後悔してからじゃ、遅いのに。


何か行動に移すことさえせずに、芝生に寝転んで。


ただ、空を見つめて。


桜の花びらもしおれてしまった。


健ちゃんを心配させてしまった。


今日1日、わたしはいったい何をしていたんだろう。


カレーライスをすくい、口にスプーンを運ぶ。


肉じゃがとスパイスの混ざり合った香りが鼻をつく。


おいしい。


おいしい、のに。


でも、なぜ、こんなにしょっぱいのだろう。


「真央?」


健ちゃんがびっくりした顔で、わたしの肩を叩いた。


わたしはすかさず人差し指を左右に振った。


〈なに?〉


「そんなにまずかったか?」


え?、と首を傾げると、健ちゃんはスプーンを置いて肩をすくめた。


健ちゃんの指がはらはら落ちる涙をジェスチャーした。


「泣くほどまずかったか? カレーライス」


カレーライスは涙が出るほどおいしかった。


でも、わたしは無意識のうちに泣いていた。


〈どうすればいいのか……わからない〉


わたしの手話を見たとたんに、健ちゃんは立ち上がりわたしの横に座った。


「何があった?」