恋時雨~恋、ときどき、涙~

「じゃあ……ジャングルに冒険しに行ったんだろ」


なんて、健ちゃんはあっけらかんと笑った。


だから、ほっとした。


「ほら、入れ入れ」


と健ちゃんは呆然と立ち尽くすわたしの腕を引っ張り、中に入れるとドアを閉めた。


そして、楽しそうにわたしの腕を引っ張り、真っ直ぐキッチンへ向かった。


「グッドタイミングだんけ。ちょうどできたとこだんけな」


コンロに掛けられたお鍋から、優しい湯気が立ち上っていた。


いい匂い。


〈カレー?〉


わたしが訊くと、健ちゃんは「どんなもんだ!」とでも言いたげに胸を張った。


「男の絶品料理だんけ」


そう言って、健ちゃんは小皿にカレーをすくって、わたしに味見をしろと言ってきた。


「どうだ? いけるだろ」


わたしは頷いた。


〈おいしい〉


一風かわった味のカレーライスは、とても美味しかった。


「だろ。昨日、真央が作った肉じゃが、余ってたから。それをカレーにしてみたんけ」


節約だろ、今流行りのエコだんけ。


おれは、今をときめくエコ男子だんけな!


とふんぞり帰った健ちゃんを見て、たまらず笑ってしまった。