恋時雨~恋、ときどき、涙~

芝生に寝転んだままのわたしに、静奈が駆け寄ってきた。


「大丈夫? 立てる?」


わたしは頷いて、差し伸べられた静奈の右手に、自分の右手を重ねた。


立ち上がりながら、


〈静奈?〉


とわたしは静奈の顔を扇いだ。


「え?」


わたしは、幸と中島くんを指差して首を傾げてみせた。


〈どうしたの? 2人、何を話してるの?〉


幸と中島くんは睨み合いながら、何かを話している。


とても早口で、さすがに読み取れない。


静奈が肩をすくめた。


わたしは静奈の肩を強く叩いて睨んだ。


〈隠そうとしてる〉


「違う」


静奈がふるふると首を振った。


わたしは静奈を指差した。


〈じゃあ、教えて〉


やや沈黙のあと、静奈は都合悪そうに両手を動かした。


「中島、幸に……手首見せてみろって」


〈手首? なぜ?〉


わたしの質問をわざとらしく避けて、静奈は目をふせた。


「でも、幸は、絶対見せたがらない」


わたしは首を傾げた。


意味が、わからない。


〈だから、どうして?〉


静奈が、わたしの両手から目を反らした。


その時だった。