恋時雨~恋、ときどき、涙~

わたしは肩をすくめた。


分からない。


本当に、想像もつかなければ、検討もつかない。


だって、実際にそうだったじゃないか。


〈果江さんと健ちゃんに、限界があったじゃない〉


限界がきたから、2人は離れざるを得なかったじゃない。


健ちゃんに嫌われる覚悟で、わたしは両手を動かした。


でも、健ちゃんはただあっけらかんとして、わははははと大きな口で笑った。


「限界、ね。確かに」


健ちゃんの両手を見て、わたしは胸が痛くなった。


やっぱり……。


「でも」


と健ちゃんは手のひらをひらりと反転させ、続けた。


「おれと果江は限界が来たわけじゃないと思う。ただ、そういう運命だったんだと思うんけ」


〈そういう運命?〉


だんけ、と健ちゃんは笑った。


「最初から、こうなる運命だったんけ。おれと、果江は」


真央と順也が、幼なじみになるっていう元で、生まれてきたように。


真央と静奈ちゃんが出逢って、親友になるっていう元で高校に進学したように。


おれと果江もいずれは別れるっていう元で、出逢って、恋に落ちたように。


「そういう運命だんけ」