恋時雨~恋、ときどき、涙~

どんなに頑張って目を閉じても、眠れそうにない。


羊を数えていたら、ますます眠れなくなった。


眠らなきゃ、と思えば思うほど焦りに変わり、目が冴えていく一方だ。


ベッドの中であちこちに寝返りをうっているうちに、もう一時間以上経過していた。


やっぱり、こんな気持ちを抱えたままじゃ、わたしは一生眠れない人間になってしまう。


枕元のデジタル時計に視線を飛ばすと、もう日付が変わろうとしていた。


わたしはベッドから出て、寝室を出た。


リビングに出て、わたしは隣の部屋へ向かった。


健ちゃんは寝てしまっただろうか。


ノックをして確認しようかどうか迷ったあげく、ノックはせずに静かにドアを開けることにした。


ドアを開けると、東側にある大きな窓から、月明かりがたっぷりと射し込み、フローリングの床に反射していた。


煙草の匂いがする。


フローリングの床に灰皿とライターと、セブンスターが無防備に置かれていた。


その横で、健ちゃんがこちらに背を向けて眠っていた。


やっぱり、眠ってる。


健ちゃんに訊きたいことがあったけれど、明日にしよう。