恋時雨~恋、ときどき、涙~

「いろいろと悪かった。なんだか……みっともないことばかりしたね」


健ちゃんと別れてくれなんて言ったり、健ちゃんと果江を復縁させようとしたりして。


ふたりの中ではもう、本当に過去だったのに。


そんなことにも気付かないで、ひとりで突っ走って。


真央ちゃんをとことん傷つけてしまった。


「ごめん」


と亘さんは深々と頭を下げてきた。


わたしは亘さんの肩を叩いて、ふるふると首を振った。


そんなことない。


わたしに、亘さんを責めることなんてできない。


でも、亘さんも負けじと頭を下げてくる。


やめてください、とジェスチャーをして亘さんの体を起こした時、亘さんがふらついた。


まるで目眩を起こしたかのように、亘さんは前に倒れかかってきた。


とっさにその体を支えた時、わたしの頬にぽつりとひと滴、涙が降ってきた。


ハッとした時、胸をひと突きされたような感覚が、体を支配した。


「ごめんね」


亘さんは泣きながら、うわ言のようにこう繰り返した。


ごめんね。


真央ちゃん。


ありがとう。


真央ちゃん。


果江を救ってくれて、ありがとう。