恋時雨~恋、ときどき、涙~

この世界に、居場所がない人なんて居ない。


必ず、誰かが、見てくれている。


見てくれている人が、必ずいる。


必ず、誰かがどこかで待ってくれているのだ。


それでも、孤独を感じてしまうのはなぜだろう。


どうして、居場所がないと決めつけてしまうものなのだろう。


自分が気付けないだけで、居場所はそこにあるはずなのに。


「もっと早く、あなたに出逢いたかった。ありがとう」


と果江さんはわたしの手を握ってきた。


握り返した果江さんの手は、とてもとても優しいぬくもりに包まれていた。











胸の内を全て吐き出して、疲れきってしまったのだろう。


少し横になりたいと言ってベッドに入るなり、果江さんはすうと眠りに落ちた。


肩を叩かれて顔を上げると、亘さんが言った。


「行こうか」


え? 、と首を傾げると、亘さんは微笑んだ。


「健ちゃんが、着いたって」


と亘さんはドアの方を何度か指差すジェスチャーをした。


病室を出て、エレベーターで一階へ下りて、ロビーで健ちゃんを待っていると、亘さんが言った。