恋時雨~恋、ときどき、涙~

そうでもしないと、喉の奥からあらゆる感情がこんこんと溢れて、止まらなくなってしまいそうだから。


それは、あまりにも優しくて切なくて、でも、アメリカという遠い地からの精一杯のラブレターだった。


「ねえ、果江」


亘さんの大きな手のひらが、果江さんの艶やかな髪の毛をそっと撫でる。


「体力が回復したら、アメリカに戻ろう。手術を受けて、今度こそ元気になろう。果江を心から愛している人が待ってる」


亘さんが、手紙にそっと触れた。


「果江には、世界一、幸せになって欲しいんだ」


「亘……」


ゆっくりと顔を上げた果江さんは、涙でびしょ濡れだった。


わたしは、ふと、窓の外に視線を投げた。


窓の外は、雪だ。


でも、わたしは気付いたのだ。


もう、雪解けが訪れて始めたことに。


と、同時に、わたしと果江さんの間で凍てついていた氷の壁も、ゆっくりと穏やかに溶けていった。


わたしは、視線を果江さんと亘さんに戻した。


亘さんが、泣いていた。


「もうすぐ、雪がとけるよ。春が来る。春になったら、果江はアメリカに戻って、幸せになるんだ」