恋時雨~恋、ときどき、涙~

女のカン、か。


わたしはため息を落としながら、窓の外に広がる曖昧な空を見つめた。


雨が降りだしそうなわけでもなく、お日様が照っているわけでもなく、ただ、殺風景に曇っていた。


アメリカと日本は遠い。


この空を、何時間もかけて爆弾を胸に抱えて、果江さんは日本に戻って来たのだ。


確かに、何か理由があるはずだ。


幸の華奢な手が、わたしの顔を扇いだ。


「ここで迷っておるんは、時間の無駄やと思わん?」


え、と首を傾げると、幸は白い歯を輝かせて笑った。


「ひとつ、言うておくわ」


〈なに?〉


幸がわたしを指差した。


「真央の気持ちひとつやで」


幸の目は、いつだって真っ直ぐで眩しくて、曇りがない。


「明日は、どうなってるか分からん。真央の気持ちひとつで、明日が決まるんや」


気付くと、わたしはスマホを片手に立ち上がっていた。














明日は、どうなってるか分からん。


真央の気持ちひとつで、明日が決まるんや。


幸の手話に背中を押されて、わたしは病院に到着した。


病室前で、何度も何度も深呼吸を繰り返した。