恋時雨~恋、ときどき、涙~

大きな大きな口で、大袈裟なジェスチャーを交えながら豪快に笑ったあと、幸は微笑みながらわたしに言った。


「真央は、このままでええの?」


彼氏と付き合いながら、元彼女の存在ともうまく付き合って行けるんか。


気にせんでいられるんか。


「このまま、何も解決せんままで、彼氏と仲良うする自信あるん?」


こんなもやもやした気持ちのままおったら、必ず、ケンカになってまうで。


「そんなん、嫌やんな?」


わたしは頷いた。


幸が言ったことは、全部正しいと思った。


幸は満開の笑顔で、わたしの頭を撫でた。


「今がチャンスやで。今日がチャンスや。ここで何かを変えな、いつまで経ってもこのままずるずるしてまうで」


幸の手話を見て、わたしはハッとした。


逃げてばかりいても、何も変わらない。


わたしと果江さんの関係は、何も変わらない。


平行線のままだ。


幸がわたしの肩を叩いた。


「うち、思うねや。この果江いう人」


と幸はスマホの画面を指差したあと、わたしを指差した。


「真央のこと、嫌ろうてへんのとちゃうやろか」