恋時雨~恋、ときどき、涙~

〈彼氏の、元彼女〉


幸がもともと大きな目を丸くした。


「どういうことやねん。あんたら、三角関係になっとんのちゃうやろな」


幸は怪訝な面持ちで、わたしの顔を覗き込んできた。


わたしは首を横に振った。


〈違う。でも……本当はよく分からない〉


「分からん、て」


わたしはうつむいた。


本当に、何が何だかよく分からなくなってしまった。


果江さんの本心が、本当に分からない。


突然の帰国。


健ちゃんを無理やり奪ったりしないと言ったと思えば、今度は手のひらを返したように、健ちゃんを返して欲しいと言ってみたり。


冷たくて怖いと思っていたら、その隙間から優しさも垣間見せる。


果江さんは一体、何をするために、何をしようとして日本へ帰ってきたのだろうか。


それが、いちばん分からない。


健ちゃんの元彼女だということ。


健ちゃんの親友の亘さんという幼なじみがいること。


重い心臓病を抱えていること。


3日前の出来事。


ひとつひとつを説明していくと、わけがわからん! 、と幸はわたしのスマホをがさつに机の上に置いた。