「真央のこと、呼んどるで。彼氏やない?」
ほれ、と幸は華奢な人差し指で、机の上で無防備にライトが点滅しているわたしのスマホを指差した。
〈ありがとう〉
とお礼をすると、幸は、
「せなやあ。ジュース1本で手えうつわ」
なんてな、冗談や、といたずらに笑った。
もう、と華奢な肩を叩くと、幸は大きな口で楽しそうに笑った。
「真央をからかうとおもろいわ」
大切な彼氏を失ってから、幸は毎日笑ってばかりいる。
悲しい顔ひとつ見せないし、そんな素振りも絶対に見せようとしない。
痛々しいほど、幸は明るく過ごすことで気を紛らせている様子だ。
「ほれ、早う見てみい」
幸に急かされて、スマホをタップした。
そのメッセージは亘さんからだった。
佐藤 亘
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これから時間もらえないかな
果江が真央ちゃんと話したいと言っています
A病棟 505号室
画面をじっと見つめながら、わたしはしばらく動けなくなった。
果江さんが、わたしと……。
ほれ、と幸は華奢な人差し指で、机の上で無防備にライトが点滅しているわたしのスマホを指差した。
〈ありがとう〉
とお礼をすると、幸は、
「せなやあ。ジュース1本で手えうつわ」
なんてな、冗談や、といたずらに笑った。
もう、と華奢な肩を叩くと、幸は大きな口で楽しそうに笑った。
「真央をからかうとおもろいわ」
大切な彼氏を失ってから、幸は毎日笑ってばかりいる。
悲しい顔ひとつ見せないし、そんな素振りも絶対に見せようとしない。
痛々しいほど、幸は明るく過ごすことで気を紛らせている様子だ。
「ほれ、早う見てみい」
幸に急かされて、スマホをタップした。
そのメッセージは亘さんからだった。
佐藤 亘
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これから時間もらえないかな
果江が真央ちゃんと話したいと言っています
A病棟 505号室
画面をじっと見つめながら、わたしはしばらく動けなくなった。
果江さんが、わたしと……。



