恋時雨~恋、ときどき、涙~

わたしは震える親指でスクロールさせ、生まれて初めて電話を掛けた。


順也に。


静奈に。


順也に。


静奈に。


ふたりに、交互に掛け続けた。


ディスプレイに【通話中】と表示されるとすぐに切って、すぐに掛け直した。


お願い。


気付いて。


お願い。


助けて!



何回か電話を掛けては切り掛けては切ってを繰り返したあと、わたしはまたスマホをソファーに放り投げた。


慌てて玄関に戻り、ぐったりする果江さんを抱き起こした。


果江さんの顔を見たとたんに、一気に血の気が引いた。


果江さんの顔は青白いを超えて、蒼白だった。


きれいな唇が、青紫色だ。


果江さんの細い肩の動きを確認する。


さっきまであんなに激しく動いていたのに、もう、動いているのか分からないほど小さな小さな動きに変わっていた。