恋時雨~恋、ときどき、涙~

東側にレトロなデザインの出窓があって、あとは本当に何もない。


空っぽの部屋の真ん中に、わたしは座り込んだ。


大きく息を吸い込み、お腹の底からゆっくりと吐き出す。


どうしてだろう。


今日の果江さんとなら、少し冷静に話をできるかもしれないと心の片隅で思っていたのに。


果江さんと顔を合わせると、やっぱりこうなってしまう。


やっぱり、果江さんをわたしは好きになれない。


ふと、窓の外を見上げた。


さっきまで夕方の青空が広がっていたのに、不気味なほど黒々とした分厚い雲が広がり、あっという間もなく突然の激しい雨が降ってきた。


胸がざわざわした。


雨の日には、必ず、何かが起きる。


胸騒ぎがした。


大粒の雨が、けたたましいほどに強く窓を打ち付けていた。


窓ガラスにそっと手のひらを当ててみる。


数ミリのガラスから、雨が打ち付ける感覚を感じとる。


痛そう。


こんなにも強い雨に打たれたら痛そう。


そう思ってハッとした。