恋時雨~恋、ときどき、涙~

マシンガンのように質問攻めをしてくる果江さんは、必死だった。


わたしは笑った。


まるで、やきもちを妬きなさいよ、と挑発しているように見えたからだ。


そんな様子の果江さんを見て、わたしは確信した。


本当に、何もなかったのだろう、と。


「なに笑ってるのよ」


わたしが頷きながら笑うと、果江さんは拍子抜けしたように肩から力を抜いた。


「あなたと居ると調子が狂っちゃう。嫌」


わたしはメモ帳にボールペンを走らせた。


果江さんがメモ帳を覗き込んでくる。


【うたがってない
 健ちゃんを信じているから】


それを見た果江さんは、やわらかく笑った。


「健ちゃんも、同じことを言ってた」


【同じこと?】


「そう。わたしがここに逃げ込んで来た夜、健ちゃんが亘に電話してくれたの。幼なじみなのに、なんでそんな突き放すこと言うんだよって」


『今日は果江を預かるんけ。朝早くに迎えに来て』


「私、びっくりして、訊いたの。だって、あなたっていう彼女が居るのに、私を泊めていいのか。バレたらやばいじゃない」