恋時雨~恋、ときどき、涙~

「真央。長澤さん。また明日、学校で。メバルの感想きかせてよ」


そう言って、中島くんは一気に自転車を加速させ、帰って行った。


静奈が、わたしを小突いた。


「良かったね。今日の夕飯の食費、浮いたじゃない」


ラッキー、と静奈がピースをして笑った。


わたしはベンチに荷物を置いて、新聞紙をそっと開いて中を覗いてみた。


すごい。


メバルがきらきら輝いている。


目が透明で透き通っている。


こんなに新鮮な魚は初めて見た。


スーパーマーケットでは、こんなに新鮮な魚はめったに見れない。


しかも、4匹も入っていた。


明日、もう一度、ありがとうを伝えなきゃ。


新聞紙を元に戻して包み直し、メバルのレシピをバッグにしまって、わたしは静奈の肩を叩いた。


〈メバル、4尾もある。今日、夕飯たべに来ない? 順也も誘って〉


わたしと健ちゃんは2尾で十分だ。


だから、たまには4人でご飯もいいかと思ったのだ。


「いいの? 新婚なのに、悪いねえ」


なんて、静奈はいたずらっぽく笑った。


〈結婚してない!〉