恋時雨~恋、ときどき、涙~

待っていても、幸せは来ない。


自分で探さないと、見付からない。


今の自分を越えて、つかむもの。


健ちゃんが、わたしの背中を優しくさすってくれた。


健ちゃんの腕の中から出て顔を出すと、もう、新幹線は見えなくなっていた。


降りしきる粉雪の深い森へ、新幹線は吸い込まれていった。


お父さん。


お母さん。


ありがとう。


わたし、自分なりに頑張ってみます。


精一杯、やってみます。


それでも、どうしても挫けそうになった時は、会いに行ってしまうかもしれません。


大好きなあなたたちのところへ。


線路のずっと先を見つめていると、背中を叩かれて振り向いた。


健ちゃんが微笑んでいた。


健ちゃんが、右手を差し出してきた。


「帰ろう。真央」


わたしは頷いた。


「一緒に帰ろう。おれたちの家に」


差し出された大好きな人の手のひらに、わたしはそっと手を重ねた。


わたしの手を、健ちゃんはしっかりと握ってくれた。


「今日から、一緒に頑張ろうな」


わたしも、健ちゃんの手を握った。