恋時雨~恋、ときどき、涙~

「頑張れば、ちゃんと乗り越えていけるように、真央を産んであるって、お母さん言ったでしょ?」


この人は、どこまで強いのだろう。


純粋に、そう思った。


お母さんは、強い女の人だ。


だから、お母さん、なのだと思った。


「真央が諦めない限り、大丈夫」


お母さんの目は、どこまでも真っ直ぐだった。


「好きなら、頑張れ、真央」


わたしはしっかり頷いた。


〈お母さん、ありがとう〉


いつも、わたしの背中を押してくれて、ありがとう。


お母さんはにこにこしながら、頷いていた。


わたしは、お母さんに頼まれて、洗濯物を畳みにリビングへ戻った。


お父さんはお風呂に入ったらしく、リビングにはいなかった。


洗濯物を畳み終えて、なんとなく窓を開けてみると、順也が部屋の窓から夜空を見上げていた。


わたしは、窓枠を両手で叩いた。


「真央」


弾かれたように、順也がこっちを見た。


〈なに、してるの?〉


「見て」


順也が、夜空を指差した。


「きれいだね。オリオン座」


本当に、きれい。


しばらくオリオン座を見つめてから視線を戻すと、順也と目が合った。