恋時雨~恋、ときどき、涙~

中身はジッポライターだ。


本当はピアスを購入する予定だった。


でも、お店のお姉さんが教えてくれたのだ。


好きな人にジッポライターを贈ると「永遠の愛」という意味があるのだそうだ。


それを知ったわたしは、すぐにこれだと飛び付いた。


でも、もう、わたしと健ちゃんには必要ないものなんじゃないかと思った。


永遠の愛なんて、きっと、ない。


「何してるんけ! バカか」


慌てた様子で、健ちゃんがゴミ箱からプレゼントを引っ張り出した。


わたしは、プレゼントを持つ健ちゃんの右手を掴んで、首を振った。


〈順也が、教えてくれた〉


健ちゃんが首を傾げる。


「何を?」


〈人を好きになって、付き合うっていうことは、何があっても、その人を信じることだよ、って〉


それができなくなったら、もう、だめなんだよ。


健ちゃん。


〈わたしは、健ちゃんを、信じることができない〉


そう手話をして、健ちゃんからプレゼントを奪い返した。


突然、健ちゃんがわたしを強く抱き寄せて、唇を重ねた。


健ちゃんの匂いがした。


やっぱり、どうしても、この人が好きだと思った。


健ちゃんの両手が、ゆっくり、しっかりと動く。