恋時雨~恋、ときどき、涙~

どんぐり目と、目が合った時、不思議な親近感がわいた。


とても深い漆黒色の瞳は力強く、胸が締め付けられた。


わたしは息を呑んでぺこりと頭を下げた。


でも、果江さんは素っ気ない態度で、つんと顔を背けてしまった。


白木蓮の花びらのような色白の肌で、人形のように繊細な容姿をしているのに、見た目とはまるで正反対の人だと印象を受けた。


つんとしてそっぽ向く果江さんを、亘さんが呆れ顔で叱った。


「果江。そういう態度は良くない」


でも、果江さんはわたしを睨み付けたあと、またつんとしてしまった。


わたしはうつ向いた。


肩をすくめる。


とても惨めだった。


言われなくても、嫌われているのだと分かる。


健ちゃんに肩を叩かれて顔を上げると、果江さんがわたしを見つめていた。


もう、睨んではいなかった。


黒目が飛び出してしまいせうなほど目を見開いて、ぽかんと口を開けていた。


何が起きているのか、わたしには分からなかった。


健ちゃんを見つめて、首を傾げてみせる。


〈どうしたの?〉


「果江が、真央に話しかけたんだけど。真央、うつ向いたままだから」