恋時雨~恋、ときどき、涙~

「大丈夫か?」


健ちゃんが、へたりこんでいたわたしを両手で抱えて立たせてくれた。


わたしは頷いた。


くわえ煙草をしながら、静奈が両手を動かした。


「誰からきいたの? わたしがデリヘルやってること」


さ、ち?、と静奈は指文字をした。


やっぱり、中島くんが教えてくれた事は、本当だったのか。


わたしは肩をすくめた。


〈違う。中島くん〉


「なかじま……?」


白い煙を吐き出しながら、静奈はしばらく考えるような仕草をして、煙草を灰皿に押し付けた。


焦げ臭い。


「ああ、あいつか……面倒臭いことになってたんだね」


静奈の唇が、気だるそうに言った。


〈幸もやってるってきいた。本当なの?〉


わたしが訊くと、静奈は涼しい顔で頷いた。


「幸は、うちのナンバーワンだからね。今、幸と一緒に住んでる」


わたしは、静奈の隣に腰を下ろした。


健ちゃんはベッドに腰掛けて、うつ向いた。


〈もう、学校には来ないの?〉


わたしが訊くと、静奈は困った顔をして小さく頷いた。


「お金が必要なの。10万、100万じゃ足りない。もっと必要」