恋時雨~恋、ときどき、涙~

人差し指で、自分の胸の中央を差す。


〈わたしは〉


わたしは、静奈の目を睨んだ。


そして、人差し指で静奈を差した。


〈静奈を〉


右手の小指側をお腹に当て、上にあげながらこぶしを握る。


〈信じる〉


わたしは、静奈を、信じる。


どんな理由で風俗を始めたのか、どうして、人が変わったような悲しい目をしているのか。


それは、だいたい予想がつく。


でも、どんな静奈になったとしても、わたしは信じる。


「分かったようなふりしないでよ」


静奈はわたしを睨み付けて、体を突き飛ばした。


わたしはベッドから転げ落ちて、カーペットに転がった。


静奈もベッドから下りて、ソファーに腰をおろす。


「煙草、1本ちょうだい」


そう言って、静奈は健ちゃんに手のひらを突き出した。


健ちゃんは難しい顔をしながら、しぶしぶ煙草を差し出した。


「ありがと」


艶やかな唇に、静奈が煙草をくわえる。


テーブルの上にあったライターで、火をつける。


静奈の口から、白い煙が吐き出された。


びっくりした。


いつの間にか、静奈は喫煙者になっていたのだ。