恋時雨~恋、ときどき、涙~

いきなり、大画面に男と女が映り、激しく絡み合っていた。


わたしは、健ちゃんの後頭部をひっぱたいた。


〈最低!〉


健ちゃんも顔を赤くして、へらへらと笑った。


「なかなか変わったアニメだんけ」


〈バカ!〉


わたしは、健ちゃんからリモコンをひったくって電源を切った。


「しょうがねんけ! ここはラブホだんけ。わざとじゃねんけ」


頭がくらくらした。


わたしには少し、いや、極めて刺激が強すぎたのだ。


ラブホテルは危険な場所だと思った。


突然、健ちゃんがわたしに背を向けてソファーにもたれた。


わたしは健ちゃんの背中を叩いて、顔を覗き込んだ。


〈どうしたの?〉


健ちゃんは、わたしに背を向けたまま、顔だけを向けてゆっくり口を動かした。


「あの……あの……おれに触らないでください」


〈どうして?〉


わたしは不機嫌な顔をして、健ちゃんの肩を揺すった。


いきなり背を向けられて、触るなと言われて、わたしはショックだったのだ。


〈なんで急にそんなこと言うの?〉


わたしは、責め立てるように健ちゃんの肩を揺すり続けた。