恋時雨~恋、ときどき、涙~

不安ばかりが胸を締め付けた。


健ちゃんが、わたしの背中を叩いた。


「静奈ちゃんは、真央の大事な親友だろ。会いたくないのか?」


〈会いたい。ずっと、心配でたまらなかった〉


わたしが睨むと、健ちゃんは大きな口でわははははと笑った。


「静奈ちゃんも、同じだんけ」


〈何が?〉


「静奈ちゃんも、絶対、真央に会いたいはずだ」


今、わたしたちはかなり重大な話をしているのだ。


それなのに、こんな状況であるにも関わらず、空気が重くないのは、健ちゃんがあっけらかんと笑っているからだ。


「行こう。こんなとこでうじうじしてても、何も始まらねんけ」


な! 、と強く念を押されてわたしは頷いていた。


静奈に会いたい。


友達がいなくてつまらなかった毎日を変えてくれた、わたしの親友に。


一度もめんどくさがらずに講義を手話に訳して、ひとつひとて丁寧に勉強を教えてくれた、静奈に。


もしかしたら、静奈は変わってしまっているかもしれない。


でも、静奈は静奈なのだ。


どんなに変わっていたとしても、静奈を好きな気持ちは揺るがない。


自信がある。