恋時雨~恋、ときどき、涙~

確かに、静奈にラインすれば届く。


返事はないけれど、必ず既読が付くから見ているはずだ。


だけど、返事すらないのに、いきなり、風俗で働いているのか、なんて訊いたところで返事が来るはずない。


でも、健ちゃんは前向きだった。


「客になって、ここに電話すれば来ると思う。それで、本人かどうか確認すれば、分かるんけ」


〈でも……〉


確かに、それしか確実な方法はないのだろう。


でも、会って、もし、本当に静奈だったら。


わたしは、静奈に、どんな言葉をかければいいのだろうか。


わたしには、分からなかった。


下ばかり見ているわたしに、健ちゃんが八重歯を見せて笑った。


「大丈夫だんけ。もし、本人だったとしても、笑えばいんけ」


暗がりに、八重歯が白く輝いている。


〈笑う?〉


その意外な答えに、わたしは首を傾げた。


「久しぶりの再会を、素直に喜べばいんけ。どうする?」


わたしは、イエスともノーとも答えずに、ただうろたえていた。


わたしは、静奈に笑いかける事ができるのだろうか。


もしかしたら、責めてしまうんじゃないだろうか。