順也
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練習休みになったから、迎えに来なくていいよ
しっかり勉強するんだよ
返事を打っている途中で、わたしは人差し指を止めた。
一体、何をしようとしているのだ、と自分を叱責した。
わたしは、順也に、中島くんから言われた事を教えようとして文章を打っていたのだ。
バカだ。
そんな事を順也にメールして、どうするつもりだ。
順也は、今でも静奈の事を想っているのを、わたしは知っているのに。
メールを読んで傷付くのは、順也だ。
何よりも、もし、中島くんが言っていた事が本当なら、いちばん傷付くのは静奈だ。
今、ここでするべき事は、こんな事ではないのに。
どうにかして、それが本当なのか調べてみるしかない。
調べて本当だった時、どうするべきなのかすら分からないけれど。
それが間違いだという事を、調べるしかない。
でも、どうやって調べたらいいのかなんて、わたしには分からない。
わたしには、ゴールの見えない長距離マラソンのように、その道のりが感じられた。
しかし、予想だにしないきっかけは、いつだって突然やってくる。



