恋時雨~恋、ときどき、涙~

わたしの手話を見て、順也は「約束だよ」と小指を差し出してきた。


わたしも小指を差し出して、順也の小指に絡めた。


夜空におぼろ月が、丸く太って浮かんでいた。


それはそれはまんまるで、目玉焼きの黄身みたいに鮮やかな黄色だった。