恋時雨~恋、ときどき、涙~

【わたしは
 けんちゃんを分かってあげられないし、分かりたくない】


健ちゃんはわたしからメモ帳を奪って、乱暴に閉じた。


「頑張ってみようとは、思わないのか?」


健ちゃんに、わたしの何が分かるの?


わたしは、健ちゃんを睨み付けた。


「そうやって、いつも諦めてきたんだろ。いつも我慢して、平気なふりして、強がって」


うるさい。


余計なお世話だ。


だって、そうでもしなければやってられない。


いつも、諦めて。


我慢して、平気だよって笑って、強がっていないとみんなが困った顔をするから。


返して、とジェスチャーをして、わたしは健ちゃんからメモ帳をひったくった。


「なあ、真央」


健ちゃんが、わたしの両肩を掴んで身体を揺すった。


「おれは、諦めたりしねんけ」


どうして、この人が泣きそうな顔をしているのだろう。


「真央と会えない週末は、たいくつだったんけ」


どうして、そんなに悲しい目をしているのか、わたしには分からなかった。


「分かりたい」