恋時雨~恋、ときどき、涙~

真央 ⇔ 順也

おさななじみ


真央 ⇔ 静奈

親友


順也 ⇔ 静奈

恋人



そう書いたのは、2人が別れたことを認めたくなかったからだ。


「じゅんや、読むんか? イケメン?」


幸は目をきらきらさせて、とても興味深そうに身を乗り出した。


わたしは、思わず笑ってしまった。


「イケメンなんか?」


うーん、としらじらしいジェスチャーをしてみせると、幸は「焦らさんとき」とわたしの肩に飛び付いてきた。


どうやら、幸はイケメンが好きならしい。


相関図の隅に【イケメンや】と書くと、幸は目を細めてにやりと笑みを浮かべた。


「ほんまか? 嘘やったら、しばくで」


わたしは、また笑ってしまった。


可笑しくてたまらなかった。


【順也
 バスケットボールのチームに入ってる
 今度、いっしょに見に行く?】


わたしの字を見て、幸がぱっと笑顔になった。


「行くに決まっとるやん。どんだけイケメンか、この目で確かめんとな」


【でも
 順也は歩けない
 交通事故でくるまいす】


その時に動いた幸の唇を、わたしは見逃さなかった。


「知っとる」


わたしが肩に飛び付くと、急に幸が慌て始めた。