わたしが果江さんなら、しなかった。
後悔するから。
それが両想いだから、なおさらだ。
〈わたしには、分からない〉
順也が、小さく微笑んだ。
「そっか」
なぜだろう。
今日の順也は、少し、大人びて見える。
少し、痩せたからだろうか。
「今朝、分かったんだ。果江さんの気持ちが」
順也の両手が、ゆっくりと動く。
相変わらず、大きくて優しさが滲み出ている手だ。
わたしは、右手の人差し指を左右に振って、首を傾げてみせた。
〈どんな気持ち?〉
「うん」
順也は車椅子を少し移動させて、ベッドの枕元にあったそれを手のひらに乗せた。
目の前がきらきらした。
順也と静奈のペアリングだ。
大きなサイズの、順也のリング。
わたしは不思議な顔を作って、順也を見つめた。
〈どうして、外してるの? はめたら?〉
右手の薬指を立てて、リングをはめるジェスチャーをすると、順也は戸惑い気味に微笑んだ。
「真央?」
順也がわたしの顔を扇いで、とても深い目をした。
「真央は、いま、幸せ?」
わたしは順也のくるくると黒く輝く目を見つめながらしっかりと頷いた。
わたしは、幸せだよ。
とても。
後悔するから。
それが両想いだから、なおさらだ。
〈わたしには、分からない〉
順也が、小さく微笑んだ。
「そっか」
なぜだろう。
今日の順也は、少し、大人びて見える。
少し、痩せたからだろうか。
「今朝、分かったんだ。果江さんの気持ちが」
順也の両手が、ゆっくりと動く。
相変わらず、大きくて優しさが滲み出ている手だ。
わたしは、右手の人差し指を左右に振って、首を傾げてみせた。
〈どんな気持ち?〉
「うん」
順也は車椅子を少し移動させて、ベッドの枕元にあったそれを手のひらに乗せた。
目の前がきらきらした。
順也と静奈のペアリングだ。
大きなサイズの、順也のリング。
わたしは不思議な顔を作って、順也を見つめた。
〈どうして、外してるの? はめたら?〉
右手の薬指を立てて、リングをはめるジェスチャーをすると、順也は戸惑い気味に微笑んだ。
「真央?」
順也がわたしの顔を扇いで、とても深い目をした。
「真央は、いま、幸せ?」
わたしは順也のくるくると黒く輝く目を見つめながらしっかりと頷いた。
わたしは、幸せだよ。
とても。



