恋時雨~恋、ときどき、涙~

辛かったの。


そんな私を、支えてくれた人がいたの。
私の手術を執刀してくれた医師。
彼、日本人なの。
彼、似てるの。
健ちゃんに。
顔じゃない。
心が。
すごく似てる。
だから、惹かれてしまったのかもしれない。


でも、彼に言われたの。
正確に言うと、振られたことになるのかな。


僕は「健ちゃん」じゃない。
そう言われた。


私、彼に失礼なことばかりしていたの。
だって、彼に、健ちゃんを重ねていたんだもの。
ずっと、ずっと。


最初から無理だったのよ。
我慢なんて、口だけ。
健ちゃん以外の男を愛してるだなんて。


私、また手術をしなければいけないの。
今度も、移植くらい難しいと言われてるの。
お金も、莫大。
でも、父は気にせず手術を受けろと言うの。


返事は保留にしてる。
だって、成功率は10%。
無理よ。


健ちゃんに、謝ってないもの。
まだ、言いたいことがあるの。


私、手術を受けなければ25まで生きられないかもしれないんだって。
驚いた?


でも、それでもいいと思ってるの。
覚悟はできてる。