恋時雨~恋、ときどき、涙~

――好きで、苦しんけ。真央が、他の男を好きになるのは、嫌だんけ


――ずっと、一緒にいよう


――時雨は長くて切ないけど、優しい音がするんけなあ


――約束、したんけな。ずっと、一緒にいようって、約束した


――ずっと、一緒に居られる方法を、ふたりで考えればいいんけな


――おれを、信じて欲しい


――あのアパートで、一緒に、暮らさないか?


――おれ、いつの間に、真央のこと、こんなに好きになってたんだろうな


――一緒に帰ろう。おれたちの家に


――お帰り。真央


――この先、何があっても、信じて欲しい


――真央は、おれの、自慢の彼女だんけなあ


――何があっても、おれの気持ちだけは信じて欲しい


――おれの未来には、真央が居るんけ


――そんなに東京に行きたいのか?


――いつ、戻って来る?


――おれは、別れる気はねんけ。バカなこと言うな



真央は、いつも雨を連れて来る


真央はおれに優しい雨を降らせる


その雨には音がない


静かで寂しくて


でも


やたらと恋しくて


音のない世界はたぶん綺麗なんじゃないかと思う


――やっと、笑ったな、真央


――何で……泣くんだよ、真央


――しっかりしろ、真央。負けるなよ


――本当に……行くんだな、真央は


――ごめんな、真央


あの日、わたしたちに、雨は降らなかった。


きれいなきれいな、青く澄んだ空が、わたしたちを包んでいた。