「誰かと思ったら、房子ちゃん…と、幸子ちゃん、無事だったね」 心配したぞー、と幸子のかわいいおかっぱ頭をぐしゃぐしゃにした。 幸子は、きゃーと甲高い声をあげて、楽しそうに紫の後ろに隠れた。 市哉は、 「市哉先生、いらしてたんですか」 という房子の問いに、 「ああ、ずっと紫ちゃんと屋台を見ながら歩いてたんだ」 と、長い腕を伸ばして幸子をからかいながら、答えた。