「せっかくの金魚も、追いかけるのに邪魔だから、その辺にいた子供にあげちゃったわ」 「あらぁ、残念ね、さっちゃん」 その幸子は、まだ足元にしがみついたまま、何かをじっと見ていた。 視線を追うと、どうやら紫がぶら下げている風鈴のようだ。 「きんぎょ!」 「ああ、これ、綺麗でしょ」 紫は、幸子がよく見えるように、しゃがんで風鈴を幸子の目の高さに合わせた。