「ゆかりねえちゃん!」



幸子が飛びついてきたのだ。



「さっちゃん!」



顔を上げると、いつの間にか、房子も傍まで来ていた。



「よかった、見つかったのね」



「もう、大変だったのよ」



房子は、紫にしがみつく幸子の頭を撫でながら、



「勝手に走って、勝手に転んで、わんわん泣いて…」



と、半ば苦笑いで言った。