房子には、 『ときどきお会いできるだけでじゅうぶん』 などと言ってはみたものの、やはりこうして言葉を交わすと、気持ちも移ろう。 とはいえ、自分と市哉とでは、家柄が違いすぎることはわかっていた。 だから紫には、今以上の関係を望むつもりは、さらさらない。 ただ、こうして一緒に話すくらいなら…。 それくらいの夢は見ても、罰は当たらないだろう。