「はい、毎度!」 熱々のたこ焼きを二皿、市哉が受け取った。 食べ物を売る屋台の前は、どこも人だかりで、 「まったく、暑さと疲労で食欲を失いそうだよ」 と市哉はうんざりしていた。 紫は市哉から一皿を受け取って、ふぅふぅとたこ焼きに息を吹きかけながら、笑った。 縁日のたこ焼きには珍しく、中に大きめのたこが入っている。 食べ応えがあったが、ふたりはあっという間に平らげた。