穏やかな空気がふたりを取り巻いて、安心した市哉が、 「もう少し、屋台でも見て歩くかい?」 と腰を上げた。 そして、右手をそっと紫に差し出す。 紫は、風鈴と飴を器用に片手に持ち、市哉の手を取って立ち上がった。 歩き出してすぐに、ふたりの手は離れてしまったけれど、その温もりは、ふたりの手にいつまでも残った。