紫は、震える両手で口元を覆って、様子を見守っていたが、
「ふたりとも、ちょっと外で待ってて」
と言われ、房子に支えられるようにして、部屋を出た。
動揺が収まらない紫を、房子は必死で励ました。
「…さっきまで、とくに悪化したような感じではなかったのよ」
「大丈夫よ、先生が診てくださってるから」
「でも…どうして急に…どうして…」
「紫ちゃん、大丈夫よ、しっかりして」
そして、紫に何度も深呼吸をさせて、ようやく震えが止まると、
「紫ちゃん、私、畑に行っておばさんを呼んで来るから、ここで待ってて」
と言い残して、長屋の前の広場から畑に向かった。



