「紫ちゃんじゃないか。ごめんよ、怪我しなかったかい?」 「大丈夫です、こちらこそごめんなさい。急いでたものだから…」 「急いでた?」 市哉が怪訝そうな顔をしたのと同時に、和哉が、 「そうだった、話してる時間はないんだ。お前も来い」 と言って、市哉の腕を引っ張った。 「ええ?どこに行くんだよ」 市哉は、片手に本を抱え、片手を引っ張られて、とても歩きにくそうだった。