「房子さん、きれいね」 そう言うと、房子は照れたように微笑んで、 「紫ちゃんも素敵だわ。淡い藤色の浴衣が、紫ちゃんの雰囲気に似合ってる」 と、言った。 「ねえ、はやくいこう!」 急かす幸子を先頭に、紫たちは縁日へと向かった。